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- お借りしますね。
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' （●） ＼
（ｌ､__） |
⌒´ ／
｀ｌ ＼
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、 （ （ ●） ＼
- （人__） |
′ ｀⌒´ ／
｀ｌ ＼
ｌ ＼
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／⌒ ⌒ ＼
／（● ） （● ） ヽ
| ⌒（__人__）⌒ | おお、また来たのかお。
＼ ｀⌒ ´ ／
/ ＼
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 邪魔なわけないお。ちょうど暇してたところだお。
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＼ `ー'´ ／
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∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l 相変わらず何もないとこだけど、ゆっくりしていくといいお！
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃ やる夫は、不思議な奴だ。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━┛
- 5
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│ やる夫とわたし │
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ わたしが彼の元を訪れたのは全くの偶然だった。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
Π ∠￣￣/
|￣ : ￣￣| ∠二 二7
￣| |￣| | / /
|_| |_.｣ |／
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／ ─ ─＼
／ （ ○）三（○）＼
| /// （__人_.） | .＿＿＿＿
＼ |r┬| ／ |＼ ‐==‐ ＼
／ ヽノ ⌒`ヽ<´ ＼|￣￣￣￣|
/ | ＼___）⌒ ＼ ￣￣￣￣
｀￣＼ ＼ ,,,, ＼
＼ ／＼＼ ＼__
ゝ,,,__､___／ ヽｰヽ＿__）
- 7
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ほんと、最悪の出会いだったと思う。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／ ￣￣ ＼
／ノ ヽ__ ＼
／（―） （― ） ＼
|. （_人＿） u | 悪かったお。
＼ ｀⌒ ´ ,／
/ ヽ でも、いきなり入ってくるそっちも悪いんだお？
./ l ,/ / i
(＿) (__ ノ l
／ ／ ___ ,ノ
!､＿__!､＿_＿＿_つ
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ でも、何故かまた会いに行ってしまった。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | なんだ、またきたのかお？
＼ ｀⌒´ ,／
／ ー‐ ＼
- 9
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 決して彼の自慰が頭から離れなかったわけではない。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼ いや、いくらやる夫でも一日中しこってるわけじゃねえお。
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
┏━━━━━━━┓
┃ 断じて違う。 ┃
┗━━━━━━━┛
- 10
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 彼は、ときどき友人と一緒にいた。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／￣￣＼
／ _ノ ヽ .＿＿＿_
| （ ⌒）（⌒）／⌒ ⌒＼
. | （__人__） .（●） （ ●）＼ おう、どうしたんだお？
| ｀ ⌒ﾉ ⌒（__人__）⌒:::::＼
. ヽ } . |r┬-| . | 今日はやらない夫も一緒なんだお。
.ゝ＿,. ノ＿＿__`ー'´＿＿_.／
-(＿＿_.)-(＿＿)＿__.)─(＿＿＿)─
- 11
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 本当に息がぴったりで、いかにも親友という感じだった。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／￣￣＼
／ﾉ( ゝ 、_,ﾉヽ r'´ ﾞヽ ／｀ヽ ＿＿＿_
| ⌒(（ ●）（●） ヽ ヽ从从/ / ＼ ／＼
. | （__人__） /⌒l ＼ ＼／ ／て （●）liil（●） ﾉ( ＼
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''| ∑ ヽ／ ／ そ ／ （__人__） ⌒ ＼
／ ⌒ヽ } | | ,)／ ／ ＼ く | |!!il|!|!l| |
／ へ ＼ }__/ / ／ ／＼ ＼ ＼i⌒ヽｪｪ| ／
／ ／ | ノ ノ ／ ／ YＹY＼ ＼ ＼ ＼ /⌒,/´
( _ ノ | ＼´ ／ ／ ＼ ＼ / ＼ ＼/ /ｌ
| ＼_,／ ／ ＼ ＼_／ ＼_＿ノ |＼
.| ／ ＼ |) ）
ヽ ／ ＼ ,r' ／
＼ , '´ ｀' , ／ｰ'′
＼ ( ) ／
＼ ＼ ／ ／
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 仲のいい友達のいないわたしは、嫉妬するしかなかった。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
.
- 12
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃そうやって彼の元を訪れていくうち、私がこうも惹かれた理由がわかってきた。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ _ノ ヽ､＼
／oﾟ(（＞）) (（＜）)ﾟo
／ .:ﾟ~（__人__）~ﾟ:＼
| |ｒ┬-| |
＼、 i⌒i‐' ,;／
／ ⌒ヽ.ﾉ ﾉ く
/ ,＿ ＼ l||l 从＼ ＼
と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ
＿＿＿_
／ ＼
ｏ ○ o´ _ノ ヽ､_ `ｏ ○ o
.。ﾟ ／ oﾟ/⌒) (（＜）)ﾟo＼ ﾟ 。
| 0 / /（__人__）' 0 |
＼ / / `― ' ／
＿＿＿
／＼ ／ ＼
／（●） （●.） ＼
／ （__人__） ＼
| |::::::| ノ（ |
＼ l;;;;;;l ⌒ ,／
／ヽ `ｰ´ ｨ⌒ヽ
rｰ'ゝ 〆ヽ .)
ﾉヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃彼は、よく笑い、よく泣き、よく怒るのだ。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 13
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＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
。o（゜＞） （＜゜)o 。
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ 就職決まったのかお！？
| |r┬-| | て
＼ `ー'´ ／( ｀´) そ やったじゃないかお！！
／ ＼ﾉ ﾉミ
|＼ ＼ ＼____ノ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃感情を出すことが苦手なわたしとは正反対で、 ┃
┃彼のそんな様子に何度救われたかわからない。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 14
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃本当はもっと深い仲になりたかったのに―― ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿
／ ＼
／ ＼
／ ノ ヽ､_ ＼
| （ ●） （● ）. | ごめん、それはダメだお。
＼ ｌ^l^lｎ__人__) ／
／ヽ L⌒ ´
ゝ ﾉ
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＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽへ＼
／ （ ―） （―） ヽ
.l .u ⌒（__人__）⌒ | 本当は、やる夫の所に通ってるだけでも危ないんだから……。
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ<
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃危ないも何も、わたしには彼さえいればよかったんだけど。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃だから、わたしに恋人ができたときは気持ちよかった。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （○） （○） ＼
| （__人__） |
/ |!!il|!|!l| ／
|ｪｪｪｪ|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃動揺したってもう遅い。逃がした魚は大きいんだぞ。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 17
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ まあ、その後もちょくちょく彼の元に行ってしまったのだけれど。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／_ノ ヽ､_＼
／（ ─）／)（─）＼
／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼ またケンカしたのかお？
| ／,.=ﾞ''"／ |
＼. i f ,.r='"-‐'つ ／ しょうがない奴だお。
／ ｉ _,.-‐'~ ＼
i ,二ﾆ⊃
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ だから、なんだかんだ結婚までいけたのも彼のおかげだったと思う。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／＼ ／＼
／（ ●） （●）＼
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ おお、ついにかお！ おめでとうだお！！
| |r┬-| |
＼ ｀ ー'´ ／
- 19
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃そして現在、わたしに子供ができた。 ┃
┃さすがに彼と会う時間もなくなっていくだろう。 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | そうかお。
＼ ｀⌒´ ,／
／ ー‐ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃彼は少しさびしそうな顔を―― ┃
┗━━━━━━━━━━━━━┛
- 20
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┏━━━━━━━━━━━┓
┃しない。するはずがない。 ┃
┗━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ あのヘタレが親になるとはね。成長したもんだお。
| |r┬-/ ' |
＼ `ー'´ ／
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┃やはりやる夫はやる夫だ。 ┃
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┃わたしがくじけそうなとき、いつも前を向かせてくれた ┃
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f´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
| ただいまー。
ヽ＿＿＿＿＿＿乂_
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,' ／ ／:::::::／ _ -≦ ＼ ' Vﾊ:::.. :| ＞ 、
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'::::::::/ / l. | | | |/ ／::/ ≧、
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┃わたしのヒーロー。 ┃
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┃今までありがとう。 ┃
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く: : ／: :/: : :/ : /: : : /: l/: :|
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/{｀￢く__/-‐ｧ: / お帰りなさい。
{::ヽ.ノ / /￣
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}_ｒ‐ﾍ、
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┃やる夫。 ┃
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- おわりです。